07月≪ 2017年08月 ≫09月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2016.06.24 (Fri)

冷夏

冷夏

今年の夏はできるだけ涼しい方がいいな…と思うこの頃。

陛下目線のしっとり系です。

ではどうぞ。

スポンサーサイト
14:24  |  梅雨・初夏編  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

2014.07.30 (Wed)

君恋し初夏の夕暮れ 後編

君恋し初夏の夕暮れ 後編


前編の続きです。

20:06  |  梅雨・初夏編  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑

2014.07.30 (Wed)

君恋し初夏の夕暮れ 前編

君恋し初夏の夕暮れ 前編


夕鈴目線で長文です。
ちょうどこの暑い季節に書きたくなった一作。

ではどうぞ。

20:03  |  梅雨・初夏編  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2011.07.31 (Sun)

雨の日にはそばに

「雨の日にはそばに」

久しぶりの陛下目線です。最近ずっと夕鈴目線で書いてたので新鮮です。

ではどうぞ。











目覚めると外は雨だった。

汗ばんだ着物を袂ごと引っ張ると、僕は先ほどまで体を預けていた長椅子から半身を起こした。汗のせいで濡れて重厚感を増したのか、それとも目覚めたばかりの気怠さが邪魔しているのか、起こした体は想像以上に重かった。
僕は長椅子の背もたれに背中を預け、しばらく雨の音に耳を傾ける。
降りしきる雨は雷雲をもたらし、格子窓から覗く景色をすっかりと鉛色に染めていた。

僕は体の底に溜まった息を深く吐き出すと、地につけた足に力を入れた。その勢いのまま立ち上がると、部屋をぐるりと見渡す。静寂の満ちた室内は、主が居るのにもかかわらず静かな冷たさを纏っていた。

夢を見ていたようだ。
何の夢かは思い出せないが、どうやらいい夢ではなかったようだ。後に残る眩暈と頭痛が、悪夢であることを裏付けていた。

まだぼんやりと脳裏に残る夢を払拭するかのように、自らの手の平で額を包む。額にもぐっしょりと汗をかいていて、水気を帯びた湿り気が手のひら全体を瞬く間に覆っていった。
濡れた手をしばらく目視する僕。脳裏に浮かぶのは無限に続く闇ばかりで、背筋が震えた。


「……やはり悪夢か…」

僕は汗ばんだ上衣を脱ぎ捨てた。

悪夢を見ることには慣れていた。王座に就いた時より一度も、この王宮で安眠出来たためしがない。
だがそれも仕方がないこと。
僕は軽く深呼吸を繰り返すと、いつものように目覚めの後の準備を始める。空は相変わらずどんよりと曇っていて、爽やかな朝の風も、清々しい空気ももたらすことはなかったが、確実に朝は始まっていた。

今日も王としての一日が始まろうとしている。










「おはようございます!陛下」

突然掛けられた明るい声音に、僕はしばらく何も答えることが出来ずに、目を大きく見開くばかりであった。


「夕鈴…?」

なぜ彼女がここに居るのであろうか。


「目覚めのお茶をお淹れいたしますね」

僕が質問するよりも先に、眩しい笑顔を振りまいたかと思うと、宣言どおりお茶の準備をし出す夕鈴。僕は心に浮かんだ疑問をいったん内側にしまって、とりあえず椅子に腰掛けることにした。
相変わらずうるさいくらい雷鳴が鳴り響いていたが、夕鈴は何も気にすることなく茶葉を急須に移していた。

あれ、彼女って…?


「夕鈴。雷、怖くないの?」

僕の記憶が正しければ、以前雷鳴が怖いと泣いていたような…。僕は少し前の記憶を回想しながら、目の前に佇む夕鈴に確認した。

夕鈴は一瞬目を丸くしたかと思うと、すぐに柔らかな笑顔を浮かべ、頭を左右に振った。


「怖い時期もありましたが…もう大丈夫です」

「そうなんだ…」

なぜか機嫌良さそうに答える夕鈴。なんだか腑に落ちないことが多々あったが、とりあえずお茶が差し出されるのを待つことにした。

芳しい香りが室内を包み、僕はほっと息を吐いた。
差し出されたお茶は、香りにも負けず劣らず美味で、僕の気分は起きかけの数刻前よりも随分と良くなっていた。


「おいしいよ、ありがとう」

僕の言葉に嬉しそうに眉根を細めてはにかむ夕鈴。可愛らしい仕草を見ているだけで、僕の心は次第に癒されていった。
お茶を片手にしばらく談笑していた僕たちだったが、僕はふと思い出す。少しぬるくなったお茶を卓に置くと、夕鈴を見据えた。


「ごめん、夕鈴。最初に聞けば良かったんだけど…どうして君がここに居るの?」

外は大雨だ。妃の部屋から歩いて来るにはかなり骨を折ったことだろう。濡れそぼる回廊を慎重に歩く夕鈴の姿を想像しながら、僕は尋ねた。

夕鈴は僕の質問に、少し顔を赤らめながら、ごめんなさい…と謝った。


「別に謝ることないよ。(僕としては嬉しいし…)どうしてかな…と思って」

僕は肩をすくめると、謝る夕鈴に微笑みかけた。
夕鈴はほっと安堵の息を吐くと、視線を窓枠へと向けた。夕鈴の視線を追って、僕も格子窓を見つめる。雨のしずくが細い糸のように流れていた。


「今朝は大雨ですね…」

「うん。久しぶりに降ったね。最近日照りの日が多かったから良かったね」

微笑む僕の横顔を、不思議そうに眺める夕鈴。そんな夕鈴をもっと不思議な気持ちで眺め返した。


「雨、お好きなんですか?」

「嫌いじゃないよ。夕鈴は?」

「私は…嫌いじゃないです。昔、大雨の夜は少し怖くて…。……あっ…」

「?」

急に短く声を出して、顔を上げる夕鈴。はっと何かに気付いたかと思うと、大慌てで立ち上がり僕のそばへと寄って来た。

夕鈴は失礼します…と小声で呟くと、背後へと回り両手で僕の耳をふさいだ。


「……」

一体なんだろうか…これは。夕鈴が不可解なのはいつものことだけど、今回ばかりは意味が分からない。


「え~と……。夕鈴?」

僕は疑問の声を上げつつ背後を振り返る。すぐに真剣な夕鈴の表情が目に入って、ますます意味が分からなくなった。
夕鈴は難しい。行動が読めないのはいつものことだった。でも、いつもいつも読めない彼女が、可愛くて面白くて溜まらない。
耳をふさいで一体何をするつもりなんだ…しかもそんな真剣な顔で。と尋ねてしまえば簡単なんだが、僕はじわじわと湧き出す面白さにずっと浸っていたくて、夕鈴のなすがまま黙って行為を受け入れていた。

彼女が持つ心地よいぬくもりにしばらく浸っていた僕に、ふいに頭上から声が掛かった。


「昔…母がよくしてくれて…」

耳をふさぐことだろうか…僕は黙したままコクリと頷いた。


「雷の音も雨の音も、こうしていると聞こえなくなったんです。耳をふさぐだけで、怖い気持ちも無くなって。……なんだか懐かしいです」

夕鈴の笑ったときの振動が、手のひらを通して僕にも伝わる。


「だから陛下も…雨の日は遠慮なさらず気軽に呼んでください」

「雨の日はこうして耳をふさいでくれるの?」

この行為は複雑だけど、これから雨が降ったときはいつも君がそばに居てくれるということだろうか…?
僕は夕鈴の手を取った。しっかりとふさいでいた両手を解くと、椅子から立ち上がる。急に立ち上がった僕に驚く夕鈴に微笑み掛けると、今度は彼女の耳をふさいでやった。


「なんだか良く分からないけれど…これは何かのおまじないかな?」

どうやら尋ねられている意味が分からずに、何度もまばたきを繰り返し見つめ返して来る夕鈴。まるで子兎のように大きく丸い瞳をさらに大きくする夕鈴を見て、僕は楽しくて幸せな気分になった。


「もしかして、幸せになれるおまじない…?」

「え?違いますよ…これは、雨の夜が怖くならないおまじないです」

「……」

雨の夜が怖くならないおまじない…確かに彼女はそう言った。う~ん、やっぱり意味が分からないな。


「えっと。もしかして僕が怖い…とか思ったの?」

「!?怖くないんですか??でも……」

夕鈴は口元を押さえる。僕の発言に心から驚いているようだった。


「どうしてそう思ったの…?」

「それは、張老師が…」

急に飛び出した後宮管理人の名前に、僕はあからさまに機嫌を悪くした。緩んでいた気配を一気に凍らせると、怪訝な表情を浮かべる。

また余計なことを吹き込んだに違いない。

僕と夕鈴の仲をくっつけようと老体に鞭打って躍起になっているようだが、余計なお世話というものだ。
夕鈴との関係はゆっくり進めていきたいと思っている。もとより、長期戦になることは覚悟の上だ。


「夕鈴。それはまったくのデタラメだ。あの男の言うことは半分以上信じてはいけない」

僕は深くため息をついた。
夕鈴はしょんぼり肩を落とすと、すぐに我に返り顔を真っ赤にした。


「すみません。私ったら…また変なことを」

「……」

確かに変なことだったが、それほど悪くはない。

僕は夕鈴の耳をふさいでいた手を解いた。やっと外の音を鮮明に聞けるようになったことに安堵した夕鈴を、間髪入れずに抱きしめる。息を飲み固まる夕鈴をさらにきつく抱きしめると、僕はそっと手を離した。


「……あの」

「耳をふさぐよりも、抱きしめてもらった方がより効果がありそうだ」

「!?そ…それは…」

きっと夕鈴には無理だろう。それで構わない。僕を思いやるその気持ちだけで十分だから。


「君が無理なら僕から抱きしめてもいい?」

「ダ、ダメです」

「ケチ」

僕は幼い子どものように口を尖らせて拗ねて見せる。


「なっ、ケチってなんですか!だいたい陛下、雨の夜は怖くないんでしょう?」

「怖くないとは一言も言ってないよ」

「え?やっぱり怖いんですか?」

「今は怖くない。君がそばに居るから…」

僕は夕鈴と間近で目を合わせると、にっこり微笑んだ。糖度いっぱいの甘い微笑みにしばらく耐えていた夕鈴であったが、とうとう熱視線を受け止めきれずに目を反らした。

予想通りの反応に、僕は笑いを漏らす。
相変わらず君は、初々しくて愛らしくて、面白くて最高だ。

これ以上見続けると、照れ屋の君は照れ隠しのために怒り出してしまうだろう。
君の怒り顔も心底大好きなので、見たいと望んでしまう僕は、愚か者であろうか。








雨は嫌いじゃない。
でも悪夢を見た次の朝は、決まって雨が降っていた。

だがそれも昔のこと。
君が僕のそばに現れてから、悪夢を見ることも滅多になくなった。

これからはきっと、雨の夜に悪夢を見ることもなくなるだろう。


雨が降ると君がすかさずやって来て、ずっとこうしてそばに居てくれるから。ね、夕鈴。











二次小説56弾完
短文続きですね~そろそろ長編書きたいですね

雨の夜に悪夢を見る陛下というちょっと切ないストーリーでした。最近の陛下は、随分脱線気味だったので、原作通りクールで影のある陛下に戻せたかと思います。これから雨が降るとすぐに夕鈴がそばに来てくれるなんて、なんて素敵なんでしょう!嬉しすぎて雨乞いをしそうですね、陛下。(←絶対しないでしょう)夕鈴が雷が怖かったというのは、ミント日和内での設定です。「喜びも悲しみも僕の手に」の中で書いてます☆
前作の一周年記念スペシャルでは、たくさんのお祝いコメントありがとうございました!この場を借りて、お礼申し上げます



01:15  |  梅雨・初夏編  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。