09月≪ 2017年10月 ≫11月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2015.03.22 (Sun)

発売記念☆祝「狼陛下の花嫁12巻」

発売記念☆祝「狼陛下の花嫁12巻」

ついに発売されましたね。遅っ💦お許しください。発売日にゲットしていましたが、忙しさにかまけて更新できずにいました。

今回は、夕鈴と陛下の接触は残念ながらゼロです、ゼロですがやはり…やはり!心の中でふたりは繋がっている、という描写がいくつもありました。
狼陛下の花嫁〜たとえ離れていてもあなたを支えたい、私はあなたの臨時花嫁〜
サブタイトルを自分なりに付けてみました。接触はありませんでしたが、十分堪能させていただきました(*^^*)どこに行っても、どこに居ても夕鈴は変わらず身ひとつで陛下の味方なんですね〜(*^^*)夕鈴の一途さに乾杯✨

発売日記念の短い小説のつもりですが、例によって長くなりました。

ではどうぞ。



【More・・・】

「喧嘩」



些細なことだ。
いつもの会話、特に意識もしていなかった。
理由も忘れてしまった。それくらい、気にもとめていなかったから。
こんなに彼女を怒らすなんて、一体誰が想像しただろう。

彼女はいつも予想外。
奇想天外な考えは、誰にも予期できない。

仕方ない。
そう諦めるのは至極当たり前。

だけど。
だけど僕は、諦めたくはない。彼女に対してだけは。

他人に歩み寄るなんて絶対に無かった僕が、唯一理解したいと望んだ相手。



夕鈴。

君と僕の間の壁。

見るもの、触れるもの、感じるもの。同じ場所に居ても同じではなかったふたり。無邪気に笑う君の隣で、僕が見ている景色の先はくすんでいて。優しく声を掛ける君の様子に、胸の中心は冷えていくばかり。綺麗ですねと言う君の顔は、チカチカと眩んでしまい僕の感覚を削る。

決して混じり合うことのないふたり。
君と僕の距離は近くて、どこまでもかけ離れているから。








「陛下…」

おずおずと差し出された物体に、目を細める。
彼女の顔は、真っ赤だった。
恥ずかしくて悔しくて、いたたまれなくて…いろんな感情が詰まったいっぱいいっぱいな顔。そんな可愛い顔をされては、喧嘩中だというのに笑ってしまう。

「僕に…?」

「つ、作りすぎましたので。紅珠のために作ったあまりです」

「……」

手にとり、眺め、口に運ぶ。口内に広がる甘い香り。普段の君と同じで、甘さに溢れている。

「……美味しい」

「あ、当たり前です」

「夕鈴…」

思わず手を伸ばしてみたが、軽くはたかれてしまった。

「わ、私はまだ許しませんので。ですが、このままでは職務怠慢だと言われかねませんので。仕方なく、仕方なくです」

「うん」

「勘違いしないでくださいませ」

「うん夕鈴、さっきはごめんね」

「勘違いは…え、ごめ?……!?」

「僕は未だに君が怒った理由がわからない愚か者だ。でもこの感情は間違いないよ」

「…え?感情?」

「君と話したい。仲直りして、夕鈴」

「!?い、いや…ですよ、まだ…喧嘩中です」

ごにょごにょと呟きうつむく彼女に歯がゆさを感じる。

「君が好きだから、これ以上話せないのは辛い、笑って欲しいんだ」

「っ!?す…っ」

夕鈴は驚いた顔で僕を一瞥した後、すぐに目を伏せ黙ってしまった。僕の視線に気づき、プイッとそっぽを向く彼女に一歩近付く。

こんなに近くに居るのに、こんなに遠い君。
理解されたい、それには理解しなければならないのに…頭では分かってはいるが、高くそびえる壁が邪魔して近付けない。
この壁は自ら創り出したものなのに、そのくせ打ち消せない。
こんなに近くに居るのに、君の姿が霞んで見えない。これは僕の責任だ。

そうやってずっと遠ざけていたんだ、普通の感情を。



君の笑顔が見たい。
君の声を聞きたい。
君に触れたい。

じゃあこの気持ちはなんだろう。

幻だろうか。

掴めないものならば、僕には必要ないのだろうか。




「わ、私も好きですよ!」

「……え?」

叫び声に感覚が戻る。見つめた先には、真っ赤な顔で涙ぐむ彼女の姿。

「ゆう…」

「陛下ばっかりじゃないです!」


この気持ちは、僕のもの。
ここにある確かな感情。

死んでいた感情が湧き上がるのは、いつも彼女がきっかけだ。


「それは…」

「陛下は勝手です。私を受け入れて居ないくせに、そばに居ろと言う。私を見ていないくせに、笑えと言う。私の言葉を聞いていないくせに、話したいと言う」

「!?そんなこと!」

そんなこと…。ないよ。


「私はいつでもそばに居ます。いつでもあなたのために笑います。いつでも話します。私がそうしたいから」

「……夕鈴」

泣きじゃくる彼女をそっと抱きしめる。

「だからあなたも…あなたのしたいようにっ…っつ」

あぁ。
そうか。

ストン…と胃の上あたりに何かが落ちた。ずっと苦しんでいた種が抜け落ち、頭のモヤが晴れる。
景色が変わる。白黒の世界が色を持つ。
冷えた身体が熱を持つ。人肌のぬくもりに、身体の芯がほぐれていった。

頬に手を添え、指で溢れる涙をぬぐう。
夕鈴の顔も髪もぐちゃぐちゃに乱れていたが、はっきりと僕の目に写る。


「君が見える」

「……私も見えます」

「夕鈴。君が怒った理由、やっと分かった」

「……っ。遅いですよ。超ー遅いです」

「……」

「陛下のバカ」

ふわり、と笑う彼女。
消えた壁の先で、彼女が優しく笑っているのが見える。


夕鈴。

君と僕の間の壁。

見るもの、触れるもの、感じるもの。同じ場所に居ても同じではなかったふたり。



ならばこれからは、その距離を埋めたい。
少しでも君の心に触れたいから。









お付き合いありがとうございます☆
長々としかも甘くもない文章でごめんなさい。喧嘩の理由は記述しませんでした。相変わらず人の感情に対して冷たいことばかり言う陛下に、夕鈴がいつものようにショックを感じて怒ってしまう…原作と近い喧嘩だと思ってください。
お気に入りのセリフは「陛下のバカ」かな。喧嘩中にこんな可愛いこと言われたら…あぁニヤつきが止まらん!頑固な陛下もやっぱり懐柔されてしまいましたね^_^

15:34  |  祝☆12巻(ご挨拶とミニ小説)  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://mike3aoi.blog134.fc2.com/tb.php/136-f95c526a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。