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2011.07.16 (Sat)

恋する兎

「恋する兎」

夕鈴目線です。
オリジナルキャラの出演(2回目)です。


ではどうぞ。












「こちらの翡翠の飾りがいいのでは…?」

「いいえ、お妃さまの美白にはきっと瑪瑙(メノウ)の飾りの方がお似合いですわ…」

「夕鈴さまはどちらが良いと思われます?」

「そうだわ。お妃さまはどっちがお好みですか?」

ふたりの女人に交互に尋ねられ、夕鈴はビクっと肩をすくめた。
両手にはそれぞれ、翡翠で出来た髪飾りと、瑪瑙をあしらったかんざしが置かれている。夕鈴は手の中で美しく光沢を放つ髪飾りとかんざしを見比べ、目の前で嬉々として待つふたりの女人の顔を再度眺め、深くため息を吐いた。












初夏の爽やかな風が吹く後宮の庭。
お気に入りの四阿でお茶休憩を取っていた夕鈴の元へ、ふたりの来客の報告が来たのは半刻ほど前。

ひとりは、まだその顔に初々しさが残る幼年の美少女。いつものように流行りの衣装を身に纏い、あどけない顔に似合わない妖艶な仕草で腰を折り、口元にうっすらと微笑を浮かべ拝礼する姿に、夕鈴はすぐに目を奪われた。


「お妃さま…?」

紅珠の呼びかけに、夕鈴ははっとして顔を上げた。またまた、見とれていたのである。


「紅珠…お久しぶりね」

笑顔を浮かべ、紅珠を迎え入れるための席を空けようとする夕鈴。だが、後方に佇む人影に、夕鈴の動きが止まった。見覚えのあるシルエットに視線を奪われる。

自分の背後を凝視する夕鈴の視線に気づいた紅珠が、しまったという風に口元を押さえると慌てて後方を見た。


「わたくしったら、先にご挨拶を…申し訳ありません」

紅珠は顔を赤らめながら、後方へと下がった。紅珠が目の前から居なくなり、視界が開けたそこにははっきりとひとりの女人の姿が浮かび上がる。

長身の身を包む紫の薄い衣が風に舞いあがる。柔らかな風の音色に混ざって、頭上の髪飾りが黄金の音を響かせていた。立ち姿は凛々しく、澄んだ漆黒の眼は真っ直ぐ夕鈴に向けられている。


「妃翠さま…」

夕鈴は驚いて声を上げた。


「お久しぶりにございます、夕鈴さま。妃翠にございます」

妃翠は紅珠に負けず劣らずの優美さで挨拶をし、唖然と立ち尽くす夕鈴に微笑みかけた。

ふたり目の来訪者は、隣国黄都国で、容姿端麗、眉目秀麗と世に名高い正妃、妃翠であった。紅珠とは違う妖艶さとあでやかさで包まれ、どことなく輝くオーラを放つ迫力美人の登場に、夕鈴はまたも言葉を失い見とれてしまう。


「突然の来訪、お許しくださいませね。紅珠さまが後宮に行かれると聞き、わたくしも同行いたしました」

「そ、そうですか…」

まったく意味が分からなかったが、とりあえず夕鈴は頷いた。まだ赤ら顔でごにょごにょ呟く紅珠を呼び寄せ、四阿の中でふたりの女人にお茶をふるまう。


「あの…いつから白陽国に?」

「三日ほど前ですわ。氾家の姫と随分と仲良くなりまして、聞けば夕鈴さまとも大の仲良しだとか…せっかくなので此度の訪問にご一緒しましたのよ」


「はぁ…」

ますます混乱する頭を抱えつつ、夕鈴は妃翠と紅珠を見つめた。混乱の元である当事者たちは、先刻と変わらず優美さを崩すことなく、ほがらかにお茶会を楽しんでいる。


「あの…」

そのほがらかな雰囲気を壊すような無粋な真似、上流貴族の間では御法度であるが、どうしても質問せずには居られず、夕鈴はぼそり…と声を出した。


「なぜ氾家の…」

「まぁ!そうでしたわね。夕鈴さまは何もご存じないのでしたわ」

夕鈴のつたない問いかけを全部聞くまでもなく、すべてを悟った妃翠が大げさに声を上げる。才色兼備さは健在であったようだ。夕鈴はやれやれと肩を落とすと、妃翠の話に耳を傾けた。

隣国正妃家、つまりは妃翠の実家である黄家は、氾家と長く交流を続けて来た。両者の間の交流は先代王の治世から続くという。主に家長同士の交流であったが、正妃として何度か手紙のやりとりをするうちに、いつの間にか氾家邸宅へ滞在することになったそうだ。


「おしのびですわ…」

内緒話をするかのように口元にひとさし指を当てて、妃翠が笑った。


「ぜひにと大臣さまのご招待を受けましたの…」

「おしのび…ですか」

以前、王の名代で白陽国に来た際も実はおしのびであったと告白された。一国の正妃ともあろう姫が、そう何度も自国を飛び出しても良いのだろうか…。お茶を片手にのんびり談笑するふたりの美女を見比べながら、夕鈴は思う。
もしかして、また隣国王と喧嘩でもしたのかしら…。黄都国には正妃の他に三人のお妃がいると聞く。容姿だけでなくその心までも美しい妃翠に国王は首ったけであると風の噂には聞くが、その内情は分からない。

そこまで考えて、夕鈴はふと後宮管理人である老師の言葉を思い出した。

ひとりの王にお妃がいっぱいひしめく後宮で、女同士上手くいくことはない…と。
血肉の争いとまでは大げさであるが、王の気を惹くために火花を散らして戦うのは必須である…と。


「夕鈴さま」

「あっはい」

物思いに耽っていたので、しばらく妃翠の呼びかけに気付かなかった。夕鈴は慌てて目線を上げると、傍らの美しい人を眺める。


「また、わたくしと国王陛下との仲をお疑いですか…?」

愉快気に甲高い声で尋ねる妃翠。心情をすべてお見通しの妃翠の発言に、夕鈴はお茶を噴き出しそうになりながらも、ひとつ咳払いをする。


「そ、そのような…。疑ってなどおりません。仲睦まじさは白陽国にも聞こえてまいります」

「まぁ、ありがとうございます」

夕鈴さまにはかないませんが…と、妃翠は口端に微笑を浮かべて言い放った。


「狼陛下の激しい寵愛ぶりは、遠く離れた我が国にも知れ渡っておりますわ。本当に…」

うらやましい…妃翠はほぅっと浅く息を吐くと、うっとり顔で紅珠と顔を見合わせた。ふたりして恍惚顔を浮かべ、しきりにうらやましい…と連発する。
毎度おなじみ、お決まりのパターンであったが、夕鈴はたいして反論することも出来ず、顔を朱色に染めるばかりであった。

うらやましくなんてないわ。だってこれは演技ですもの!心の中で激しく呟きつつ、赤面顔を両手で覆う。


「先日も、酒宴の席でお妃さまのことをとても気が利くかわいい妃だと何度も褒めていらっしゃいましたわ」

「わたくしも聞きましたわ。寵愛が深すぎて、陛下の言葉を聞いてる者はみな気恥ずかしくなってしまうとか…」

「そうです。聞いてるこちらが恥ずかしくなってしまうような甘いセリフをいつも囁かれておいでですわ」

「……」

あぁ…やめて欲しい。


「先日、わたくしの邸宅に遊びにいらしたときも、陛下からお妃さま宛てに大量の花が届けられましたのよ。離れている間もお妃さまを思うお気持ちが深い証拠ですわね」

紅珠は若干興奮気味に語ると、ね、お妃さま…と嬉しそうに同意を求めた。夕鈴は動揺をひた隠しし、愛想笑いで頷いた。


「夫婦円満の秘訣をぜひ教えていただきたいものですわ」

妃翠が憂い顔で呟いた。夕鈴は驚いて目を見開くと、所在無げに視線を落とす妃翠を見つめた。

やっぱり…喧嘩して黄都国を飛び出して来たのかもしれないわね…。なんとなく元気のない妃翠を心配そうに見つめながら、夕鈴は手にした湯のみを卓の上に静かに置いた。

秘訣か…アドバイスしてあげられるものならばしたいけど…、偽物の夫婦を演じているだけの夕鈴にはそれは無理だった。

しょせん私は偽妃。世間で公然と噂されている寵愛もすべて偽物。臨時花嫁バイトを始めて随分と期間が経つが、隠し事の上手なあの方の気持ちを半分も理解出来ていない。

何度となく、彼が抱える心の奥深くを知りたいと手を伸ばしてみたが、偽りだらけの関係が邪魔してなかなか先には進めていなかった。

夕鈴は小さくため息をついた。その様子に気づいた妃翠が呟く。


「夕鈴さまでも、ため息をつかれるのですね」

「もちろんですよ」

夕鈴は驚いて言う。人間誰しも悩みのひとつふたつ、憂いごとの三つ四つあるはずである。もちろん夕鈴も例外ではない。


「寵愛が深すぎても考えものですね」

夢見るような視線を漂わせて、紅珠が言った。夕鈴は曖昧に頷くと、ふたりの客人にお茶のおかわりを勧める。


「それより…今日は何か用事があって来られたのでは…?」

話題をさりげなく逸らすかのように、夕鈴が尋ねる。

夕鈴の言葉にあっと短く声を上げて、紅珠が妃翠と顔を合わせた。

















「ね、夕鈴さま。ちょっとこの衣装に袖を通してみませんか?黄都国で今一番流行っている絹衣の衣装なのですよ…袂と裾には金糸で梅花が描かれていて、とっても美しいでしょう?」

「た、確かに美しいですが。そんな豪華な衣装はとても…」

夕鈴は、あでやかな光沢を放つ絹衣を手にし迫る妃翠を両手で制した。


「何を遠慮なさっておいでですの。これは白陽国のお妃さまへの献上品ですわ」

「え!?献上品ですか?」

驚く夕鈴をクスリ…と笑いながら、妃翠が頷いた。


「夕鈴さまに一番似合う衣装を…と思いまして、わたくしが選びましたのよ、ぜひお召しになって」

「私のために…ですか?ありがとうございます」

夕鈴は照れながら、羽のように軽い絹衣の衣装を手にする。間近で見ると日の光に透けて黄金色に輝いている。


「では、今度の宴の際にでも…」

「宴用の衣装ではありませんよ。何気ない普段の日に着ていただきたいのです。例えば今日とか…」

「今日ですか?でも、こんな豪華な衣装…」

汚してしまったらどうしよう…脳裏に口うるさい側近の顔が浮かんで、夕鈴はどきりとした。側近の顔はもちろん怒っている。

どうしようか戸惑う夕鈴をよそに、紅珠が妃翠と話し出した。


「妃翠さま。お妃さまはいつも質素倹約のためシンプルな衣装をお召しですが、白陽国の唯一の寵妃ともあろう方にはもっと相応しい衣装があると思いません?」

口元に小悪魔的な微笑を浮かべ、上目遣いに妃翠に同意を求める紅珠を見て、夕鈴は目をぱちくりさせた。


「そうですわね、紅珠さま。わたくしも、以前お逢いしたときからずっと思っておりましたの。それに…」

ちらりと夕鈴を見る妃翠。まだまだ慣れないのか、迫力美人と視線が合って鼓動が跳ねる。


「な、何か…?」

「まるで輝きを放つ前の原石のよう…。腕が鳴りますわ」

ふふふ…妃翠の不敵な笑みが夕鈴の視界に入る。


「妃翠さま。わたくしもずっとそう思っておりました。そう…名づけるならお妃さま改造計画とでも申しましょうか…」

改造計画!?物騒な言葉に眉をしかめる夕鈴。
焦る夕鈴を置いて、ふたりの女人ががっちりと手を合わせていた。


「な…ななな何です…??」

夕鈴の背中に冷や汗が流れる。

ここで、冒頭の会話に戻る。
















まるで着せ替え人形のごとく、ふたりの女人におもちゃにされる夕鈴。
三度目の衣装替えで、夕鈴が初めて不満の言葉を口にした。


「一体何回着替えればいいのです?」

うず高く積まれた箱の数々。天井に届きそうな箱の中身は、妃翠と紅珠が持ってきた衣装である。
夕鈴の憔悴とは対照的に、箱を開けるたびにうきうきと弾みだすふたりをよそに、夕鈴はぼんやり窓の外を覗いた。日はすっかり傾き、西日が格子窓から射し込んでいた。
そうしている間も、ふたりはお互いに感想を言い合いながら、夕鈴の頭にかんざしを挿しこんでいる。


「これも良くお似合いだわ。ホントお妃さまってなんでもお似合いになるのですね」

「本当に…」

磨きがいのある方って好きだわ…妃翠が嬉しそうにため息を吐いた。


「ちょっと髪を結ってみましょうか」

「あら、素敵」

「お化粧もしてみましょう」



「すみません…」

ふいに遠慮がちにかかる声。ふたりが一斉に振り返った先には、妃付の侍女が居た。


「お話の邪魔をして申し訳ありません」

「大丈夫ですよ。どうしました?」

優しげな面差しを向けて、妃翠が訪ねた。尋ねられた侍女はうっすらと頬を高揚させて、拝礼する。


「もうまもなく陛下が後宮にお戻りですが…」

侍女の言葉で、三人は格子窓から見える外の景色を覗いた。茜に染まる空が、もうまもなく夕闇を連れて来ようとしている。


「もう、そんな時間なのね」

「大変だわ。最後の仕上げにかかりましょう」

「え?」

仕上げって言った?夕鈴は目をぱちくりさせて、妃翠を見つめる。


「まさかこの衣装でお迎えを…?」

「もちろんです。あっちょっとそこのお前、香油を持って来ておくれ」

「化粧道具もです。わたくしがお妃さまのお化粧をいたします」

賛同した紅珠も妃翠と一緒になって、いそいそと準備する。


「え?ちょっ、ちょっと待って」

「問答無用ですわ。大人しくなさってくださいませ」

「!!!!!!?」

















夕刻、陛下が妃の部屋へと現れた。
腰を折って拝礼する侍女たちの横を通りぬけて、夕鈴の姿を探す。


「妃はどこに…?」

居間をぐるりと見渡すが、そこに夕鈴の姿はない。陛下は上着を脱ぐと、いつもの定位置である長椅子へと腰掛けた。
そこへバタバタと回廊を掛ける音が響いた。ほどなくして、夕鈴が部屋の扉を開ける。


「陛下!遅くなり申し訳ありません」

肩で息をしながら登場した夕鈴を見て、陛下は一瞬言葉を失った。


「実は…さきほどまで妃翠さまが…って、どうしたんです?」

両手を広げながら無言で近づく陛下に、夕鈴は首をかしげた。陛下はするりと夕鈴の腰を引き寄せると、その逞しい腕でぎゅっと抱きしめた。


「……」

「!?陛下、なななな、何を……」

夕鈴と同じく茫然と突っ立っていた侍女たちの、息を飲む声が聞こえた。
恥ずかしい!すぐに赤く火照る顔。動揺した夕鈴は、声にならない声を上げた。


「へ、へ、陛下」

しばらく抱きしめていた陛下は、ゆっくりと腕を解くと、夕鈴と間近で目を合わせた。赤い顔がさらに赤く染まる。ぐるぐる回る目でとらえた陛下の顔は、かすかに笑っていた。


「今日の君は一段とキレイだ。着飾って…一体どうしたんだ?」

陛下は心底嬉しそうに笑うと、左手を上げて侍女を下げた。音もなく立ち去る侍女を見ながら、夕鈴は答える。


「これは…っつ」

恥ずかしさで頬が熱くなる。おせじに違いないけれど、陛下の褒め言葉は心臓に負担が大きい。夕鈴は、波打つ胸に手を当てて、軽く深呼吸をした。


「さきほどまで黄都国の妃翠さまがいらっしゃってまして…」

「妃翠?また来てたんだ」

しょっちゅう国を飛び出して大丈夫なのかな…と夕鈴と同じ思いを口にする陛下。夕鈴はうんうんと頷いた。


「この衣装とかんざしは妃翠さまと紅珠が持って来たもので、無理やり着替えさせられたというか…」

「なるほどね…」

陛下は器用に片手を動かすと、夕鈴の頭上で雅に音を奏でるかんざしに触れた。


「黄都国のものと作りが似てるね…」

陛下はその手を夕鈴の首筋まで降ろすと、キレイだ…とこそっと呟いた。夕鈴の顔はこれ以上無いくらい真っ赤。茹でタコ兎を見て、陛下がクスッと笑う。


「あのふたり、たまには役立つこともあるんだね。こんなに着飾った夕鈴、離宮以来だなぁ。あのときもキレイだったが、今夜の君もいいね」

陛下は嬉しそうに回想すると、首筋からうなじ、鎖骨へと手を伸ばす。思わず身を引く夕鈴であったが、がっちり捕えられた腕が邪魔していた。高く結った髪と、肩を大きく開けたデザインの衣装が、夕鈴の肌の露出を高めていたので、いつもより触れられている気がする。

夕鈴は無駄だと分かっていながらも身をよじる。


「香油に化粧か…夕鈴、もしかして僕を誘ってるの?」

「は?さ、誘ってませんよ!!!」

何言ってるのか…なぜか艶っぽさを増して微笑む陛下を訝し気に見つめ返す。


「本物の夫婦ならば、ここで我慢は出来ないよね…」

陛下はしゅんと残念そうに呟くと、夕鈴の額に軽く口づけした。空気のように触れる唇は感触があまりなく、しばらく何をされたのか気づかなかった。


「良く似合ってる」

目の前で微笑む陛下。夕鈴はあたふたと視線を反らした。
ちょっと待って。今、おでこに口づけした…!?


「明日も明後日も、ぜひ着飾って迎えて欲しい」

「え、遠慮します!!!」

冗談じゃない。恥ずかしすぎる。私は陛下を誘ってないわ。しかも…何さらりとセクハラしてるのよ!
夕鈴は額を押さえながらぶつぶつと呟く。かわいい嫁兎の出現に、陛下の顔は緩みっぱなしだった。


「つれないな。でも、いいかな」

こんなにキレイな夕鈴を見れたし…陛下の緩みきった顔を、夕鈴は複雑な心境で見返した。


「今日は妃の部屋に泊まることにする」

「え?」

「久しぶりに一緒に寝る?」

陛下はいつもそうしてると言わんばかりに尋ねた。
夕鈴は大げさに首を左右に振ると、得意気に見下ろす陛下をじっとり睨んだ。


「冗談だよ」

相変わらず君はつれないね…陛下は、はははと笑いながら、夕鈴を抱き上げた。
頭上のかんざしが優美な音色を奏でる。その音色に誘われるように、陛下は妃の部屋の奥へ奥へと歩みを進めた。


「へ、陛下。なな…何を。降ろして…」

「その衣装、脱いじゃうのはもったいないね。でも脱がさなきゃいけないし…」

耳元で、小さな独り言が響いた。
脱がす!?何!?なんなの一体…そしてどこへ向かおうというの。向かう先はもちろん、灯火の明かりがわずかに射し込む薄暗い寝室。

どうしよう…逃げられない!危機的状況に、夕鈴の目がぐるぐると回る。展開に付いて行けずに思考も回っていた。
混乱する頭の中に、ふたりの優美な女人の姿が浮かんだ。妃翠と紅珠。ふたりの美しい人がほがらかに笑っている。


「笑いごとじゃない!!!!!」

叫ぶ夕鈴とそれを受けて苦笑する陛下。
後宮の妃の部屋で、今日も仲良し夫婦の一日が終わろうとしていた。













二次小説55弾完了です
オリキャラの妃翠(ひすい)さま、二回目の登場です。紅珠は…何回目の登場でしょうか?最近よく出してます☆
おめかし夕鈴と陛下。普段着飾らない女の子は、いざというとき男性のハートを掴むという典型的な少女漫画のストーリーをいただきました。雑誌の離宮編に、着飾った夕鈴の姿に言葉を失う陛下が書かれてました。今回もキレイな夕鈴の姿に見事ハートを打ち抜かれております思わず、でこちゅうしたくなる気持ちは分かりますね(笑)
最後は脱がしちゃう…とかなんとか衝撃的なことを言ってましたが、もちろん脱がしてません。そんな勇気はまだなしです。天然お色気夕鈴に、彼はいつまで耐えきれるのでしょうか…。
最後までお付き合いありがとうございました。


02:31  |  オリジナルキャラ編  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

●陛下、耐えなくていいよ!

でこちゅうって・・・いや~、見事な自制心ですな、陛下!
着付けした人の顔ぶれからして、きっと脱がせやすいに違いないありませんが(笑)
紅珠は女の子の目から見てもかわいい、かつ男の目から見るとそそられるようなエロ可愛い(?)衣装を絶妙のセンスで選んでくれそうな気がします!
深見 |  2011.09.21(水) 17:02 | URL | 【編集】

●コメントありがとうございます!

深見さま
いらっしゃいませ☆夕鈴って絶対こういう衣装似合うんですよね~原作であまり見れないのが残念ですが。。。
必死の自制心ですよ(笑)陛下も大人ですね。

> 着付けした人の顔ぶれからして、きっと脱がせやすいに違いないありませんが(笑)
服とは脱がすためにあるもの。きっとふたりは、陛下に脱がして欲しくてプレゼントしたに違いありませんね。

エロ可愛いですか…ちょっと初単語にドキドキしてます☆エロ可愛い夕鈴…いいですね。これから出していっても良いでしょうか?(笑)

またいつでもいらしてくださいね。ありがとうございました。
ミケ |  2011.09.21(水) 22:03 | URL | 【編集】

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